fujijoho logo

2017年指針

「賢守智略」
社長 渡辺直企
 
   明けましておめでとうございます。年末年始の穏やかな天候とは裏腹に、大きな変化が起きています。昨年はイギリスのEU離脱、トランプ氏の大統領選挙勝利など近年の政治や経済の常識を覆すような出来事が起きました。これらはグローバル化、ITを主体とする技術の発展などの本質的な変化に対する表面的な出来事であり、氷山の一角に過ぎず、これからも大きな変化が起きることが予想されます。まさに不確実な環境の真っただ中であるといえます。  当社におきましてはエントリ事業本部はここ数年、外的な課題に対応してきました。今後厳しくなっていくエントリ事業の環境を生き抜くために、このタイミングで"原点回帰"をしてこれまで以上に他社との差別化を図って行きたいと思います。システム事業本部は昨年大きなプロジェクトの切れ替りとなり経営的には難しいかじ取りを強いられました。同時にこれまでの経験と成長を生かすよう、質の変化を促す新たな打ち手を講じてきました。新たな打ち手に関しては先行きが不透明で流動的、思うようにはいきません。一言でいえば混沌(カオス)。変化に翻弄されず本質を追求し冷静に着実に前進していきたいとと思います。新規事業推進部は新しいヘルプデスクの立ち上げの真っただ中、暗中模索、試行錯誤を繰り返しながら事業の創造に注力していきます。丸久は突然の大きな課題を目の前にしてまさに正念場、厳しい局面でこれまでの経験を生かし、乗り切っていきたいと思います。  このように変化が激しい環境ですと目先の課題に振り回されがちです、本質を追求し生き残り成長を続けたいという思いを込めて今年の指針を「賢守智略」としました。  目の前に課題があると、正面から力づくで解決しようとしがちです。課題そのものだけでなく課題の本質をとらえ大局的、長期的な対応を心がける必要があります。目先の課題に追いかけられていると、短期的には合理的な判断になるかもしれませんが、長期的に本質からかけ離れてしまうことになってしまいます。  賢守智略は賢く守り、英智をもって攻略するという意味です。ライバルやお客様に対して策をもって攻略するというのではなく、自分自身が賢守智略で本質的な成長をしていくという意味です。自分自身を取り巻く環境に対して、立ち位置を変え、能力を向上させていくことをイメージしています。我々の祖先が農耕を始めることができたのは、環境(自然)をよく観察し、本質(四季、太陽の動き、気候)を理解したうえで、リスクを負って将来収穫されるであろう果実のために適切な土地を選び、集団で力を合わせ大地を耕すことができたからです。目先の獲物を追っているだけでは狩猟採取の生活からは抜け出せませんでした。  我々が目先の利益に目が行ってしまうのにはいくつか理由があります。第一に本能です。今の利益が将来の利益よりも魅力的に感じるなど、人には認知的なバイアスがあり、状況を感覚的かつ客観的に認識するのは困難です。第二には、文化的バイアスです。人が集団で生活するにあたり共通の認識(文化)があります。集団のおかれている経緯や状況によって自由主義、個人主義、団体主義、権威主義など様々な考え方があり集団として環境に適応してきました。しかし、政治や経済の変化、技術の発達など近年の急激な環境の変化に対応するためには集団で培ってきた文化が逆に足かせとなってしまいます。そして、最後には実力不足。課題に直面した時に自分の能力の質や量が伴っていなければ、そもそも課題に対して向き合うことすらできません。合理的に自分に不利な選択肢しか残らないことになってしまいます。変化が激しく、不確実な環境ではこのような傾向があるため合理的に誤った選択をしてしまい、課題の本質をとらえた対応が困難になってしまいます。  このような状況を回避するためにいくつかの対策があります。まず第一によく知るということです。自分を取り巻く環境、課題を知り、関連する知識を得て、よく考えて本質を理解することが大事です。第二に本質を理解した上で、真に必要な力を地道にコツコツと身に着け、地力をつけます。そして、実践の場で少しずつ挑戦し、経験値を蓄積し英智を伴った真の実力へと結びつけます。  これらのプロセスにおいて、一番大切なのは価値観です。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という近江商人の考え方があります。自分やお客様だけでなく、今の取り組みが社会的に役に立つか、正義に反していないかをよく意識してあるべき姿を描くことが大切です。  世界的にも、身近の課題に関しても非常に不確実な状況が想定されます。目先の課題に振り回されることなく、理想的には周りにとっての課題でも自分にとっては課題ではないような状況になるくらいの「賢守智略」を目指していきたいと思います。